Q
 携帯電話を持たせていますが、毎月使用料・通話料が数万円になることがあります。
本人に「高すぎる」と言っても、節約することができません。どうすればよいでしょうか?

A
 私は、8年前に携帯電話を購入し、今でもそれを使っています。古い機種ですから、ただ「電話」の機能しかありません。 しかし、「いつでも」「どこでも」連絡が取り合えるのですから、重宝しています。毎月の使用料は4〜5千円程度ですが、 それでも「高すぎる」と感じます。まして、それが数万円になるとすれば「高すぎる」のは当然でしょう。
 問題は、@「数万円」という金額を本人が「高すぎる」と感じているかどうか、A「高すぎる」と感じた場合、節約する方法を知っているか。
の、2点にあると思います。
 @は、「金銭感覚」の問題ですから、人によって差があるでしょう。毎月の収入が5万円の人、10万円の人、20万円の人、50万円の人では、 「数万円」の価値が異なります。また、その「数万円」によって、新しい収入(価値)が見込まれるのなら、「高すぎる」と感じないかもしれません。
 現代の若者が、「携帯電話は命の次に大事」と話していたのを聞いたことがあります。
 なぜ、それほど大事なのでしょうか。それは「いつでも」「どこでも」連絡が取り合えるという利点を活かして、コミュニケーションの輪を広げることができるからだと思 います。若者は携帯電話を持つこと によって、「いつでも」「どこでも」連絡が取り合えるという、(テレパシイーにも似た)コミュニケーション能力を身につけることができると信じて いるのでしょう。つまり、携帯電話は、情報化社会で生きていくために必要不可欠なアイテムであり、それがなければ、直ちに「コミュニケーション障 害」に陥ってしまうという「不安」が生じているのだと思います。
 若者にとって、携帯電話を持つことは「社会人としての第一歩」であり、「自立へのステージ」だと考えられなくもありません。私のような老人にとって は無駄(「高すぎる」)と感じる使用料であっても、若者にとっては必要不可欠な「金額」であるかもしれないのです。したがって、大切なことは、その 使用料は「本人が支払う」という原則を作ることだと思います。自分が働いて得た収入から「支払う」ことができれば、「経過観察」し、本人の様子を見 守りたいと思います。毎月の請求書を本人が確認し、自分の所持金から支払うように支援してください。もし、支払うことができなくなった場合はどうす ればよいでしょうか。
 Aの問題に、当面することになるでしょう。
   @の「金銭感覚」は、本人の「金銭管理能力」に左右されると思います。現在の実態はどのような状態でしょうか。(○をつけてください)
・お手伝いで「買い物」ができる
・釣銭が計算できる
・おおよその値段がわかる(・交通費 ・食品 ・衣料 ・薬品 ・電気製品 ・家具 ・自動車 ・生活費 ・賃金 ・家賃 ・家屋 ・土地)
・毎月収入がある(・給料 ・小遣い)
・金銭出納帳(小遣い帳)をつけている
・予算をたてられる
・収支決算ができる
・預貯金をしている
 今、十円で買える物は何か。百円で買える物は何か。千円で買える物は何か。一万円で買える物は何か。十万円で買える物は何か。百万円で買える物は何か。一円玉・五円玉はどんな時に必要か。自分の毎月の収入 はいくらか。それを一日当たりにすると、いくらになるか。生活をしていくためにいくら必要か。余暇を楽しく過ごすためにいくら必要か。
   上記のことについて、(問いつめるのではなく)それとなく話し合って見てください。おおよその実態がわかると思います。中には「見当はずれ」な答で驚くこともあるでしょう。反対に、「よくわかっている」と たのもしく感じることもあるに違いありません。大切なことは、それらに関する「正しい知識」が、毎日の生活に「役立つ」ことを、実感できるように支援することだと思います。
 そのためには、毎月(毎週)の収入を一定にし、その金銭管理を自分でできるようにすることが必要だと思います。金銭出納帳で、@今、いくらお金を持っているか(繰越)、 Aいくらお金が入ったか(収入)、 Bいくらお金を払ったか(支出)、Cまだ、いくらお金が残っているか(残高)、という関係を、毎日(毎週)確認する作業を支援してください。そのことを繰り返しながら、「お金がなくならないようにするには どうすればよいか」を「一緒に考えて」(工夫して)ください。それが、「節約する方法」のすべてだと思います。

 携帯電話の利点は、「いつでも」「どこでも」連絡が取り合えることですが、欠点もあります。今では「メール」「写真撮影」「ショッピング」などたくさんの機能を備え、その便利さを「売り物」にしている陰で、 「出会い系サイト」「振り込め詐欺」など凶悪な犯罪にも使われています。そうした被害に遭うおそれもあり、使用料金も高額であることが欠点です。そのことを本人が理解する必要があります。「便利だけど恐い」 「楽しいけど高くつく」という実感を、折に触れて「繰り返し」伝えることが大切だと思います。その利点だけを活用するためには「緊急連絡」「安全確保」だけを目的にして使用するように、電話会社と「契約」 すればよいでしょう。
 @ 機能は「電話」だけに限定すること
 A 着信を「家族からだけに」制限すること
 B 発信を「家族だけに」制限すること
 そのような「契約」が可能かどうかはわかりませんが、すくなくとも「家族」と「本人」の間では「約束」することができるのではないでしょうか。